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自家消費3

Posted by on 2015年9月7日

中野区の税理士「飲食店に強い」の三堀貴信です。「自家消費3」について。

1.個人事業者
(1)個人事業者自身がまかない等を食した場合

①現金を一切徴収支払っていない場合
借方(事業主貸)×××貸方(自家消費)×××
②現金を一部回収している場合
借方(現金)×××貸方(自家消費)×××
(事業主貸)×××
※この場合、個人事業の場合は同一人格と考えますので、事業主が自ら自分に給与を払うなどということは考えられません。したがって、給与課税(源泉課税)の問題は、生じ得ません。(自分で自分に給与を払うというジレンマが生じます)。個人事業者の場合は、すべては自分の収益と考えるという思考でよろしいかと思われます。
要するに個人事業者本人には、所得税法基本通達36-38の2の規定は適用されません。
この規定は、個人事業者本人を除く、個人事業の従業員、法人の役員と従業員等に適用されるものであるといえます。
したがって、個人事業者本人が、所得税法基本通達36-38の2の規定を満たさない自家消費をしたとしても、給与課税(源泉課税)の問題は当然として生じ得ません。(他者から経済的利益を受けたということにはならないという解釈でもよろしいかと思います)それに対して、法人と個人事業者は取り扱いは異なります。法人と社長(役員等)は別人格(たとえ一人法人であっても)ですから、給与課税の問題が生じ得ます。

 

(2)個人事業者が、従業員にまかない等を支給した場合

①所得税法基本通達36-38の2の要件を満たす場合
(ア)現金を徴収していない場合
借方(福利厚生費)×××貸方(自家消費)×××
(イ)現金を一部徴収している場合
借方(現金)×××貸方(自家消費)×××
(福利厚生費)×××

②所得税法基本通達36-38の2の要件を満たさない場合
(ア)現金を徴収していない場合
借方(従業員給与)×××貸方(自家消費)×××
※要件を満たしていないので、全額給与課税
(イ)現金を一部徴収している場合
借方(現金)×××貸方(自家消費)×××
(従業員給与)×××
※要件を満たしていないので、本人負担額を引いた全額が給与として源泉課税される。

(注)自家消費の場合、給与課税(源泉課税)の関係上、上記のように仕訳を分けておくほうが計算しやすく、理想的かと思われます。

 

2.法人の場合
(1)法人が従業員にまかない等を支給した場合(法人の場合は社内消費などの科目の方が適切かもしれませんが、わかりやすくここでは便宜的に自家消費勘定としています)

①所得税法基本通達36-38の2の要件を満たす場合

(ア)現金を徴収していない場合
借方(福利厚生費)×××貸方(自家消費)×××
※給与課税されない
(イ)現金を一部徴収している場合
借方(現金)×××貸方(自家消費)×××
(福利厚生費)×××
※給与課税されない

②所得税法基本通達36-38の2の要件を満たさない場合
(ア)現金を徴収していない
借方(従業員給与)×××貸方(自家消費)×××
※要件をみたしていないので全額給与課税される。

(イ)現金を一部徴収している場合
借方(現金)×××貸方(自家消費)×××
(従業員給与)×××
※要件を満たしていないので、本人負担額を引いた全額が給与として源泉課税される。
(注1)従業員の場合は、法人税法上、別表で損金不算入の加算処理をするようなことはございません。

 

(2)法人が役員等にまかない等を支給した場合

①所得税法基本通達36-38の2の要件を満たす場合

(ア)現金を徴収していない場合
借方(福利厚生費)×××貸方(自家消費)×××
※給与課税はされない
(イ)現金を一部徴収している場合
借方(現金)×××貸方(自家消費)×××
(福利厚生費)×××
※給与課税はされない

(注1)役員報酬については定期同額給与として、定款の議事録に記載する必要があります。
この場合の福利厚生費とされた自家消費は、所得税法基本通達36-38の2に規定する給与課税(源泉所得税)はされません。勘定科目も福利厚生費ですが、法人税法上も福利厚生費としてと考えられ、別表上も調整不要となる可能性が高いと思われます。
理由としては、定期同額給与となるものには、利子や家賃、渡切交際費などがあげられていますが、毎月おおむね一定のものを定期同額給与と認めるとあります(損金算入を認めるということ)。実務上、まかない等の自家消費が、おおむね一定のものと認められるかは非常に微妙なところだとは思いますが、一般的に、それほど変動があるとは考えられず、毎月おおむね一定であると判断してよい場合が多いように思われます。そのような場合は、当該福利厚生費は、科目的には福利厚生費として損金算入して問題ないように思われます。

しかし、その額が、あまりにもデコボコする場合(極端に額が異なったり、おおむね一定でない)は、その実質は、役員に対するおおむね一定ではない経済的利益の供与ということで、法人税法上損金不算入となる可能性が高いので注意が必要です。(役員報酬の定期同額給与と認められ得る定期同額給与とするためには、自家消費もおおむね一定であることが必要不可欠ということです)。

しかしながら、このあたりは、解釈によって見解がことなるので、こうだと言い切れる結論は無いように思われます。また、なにをもっておおむね一定というのか、そのあたりの解釈の相違によって取り扱いが異なると思われます。しかしながら、通常の自家消費がおおむね一定と認められないとすると、法人税基本通達9-2-11(継続的に供与される経済的利益の意義)が設けられた趣旨もなくなってしまうように思われます。※国税庁HP参照

万が一、自家消費部分がおおむね一定と認められず、否認される場合は、定期同額給与全額が損金不算入となるわけではなく、自家消費部分だけが損金不算入となると考えるのが適切でしょう。

また、極端な例ですが、年1回役員が自家消費したというような場合は、報酬ではなく、役員賞与になりますので、有無をいわさず、損金不算入となります。

(注2)福利厚生費として処理した自家消費は、年末調整の時において、給与所得として、源泉所得税は課税されません。(給与課税されない)

(注3)役員に対するまかない等の自家消費を福利厚生費として処理することの問題については実務上様々な見解・解釈あるかと思われますが、一人会社で、社長一人の会社であっても、社会通念上相当であれば、福利厚生費を計上することは可能であると考えられます。(これを否定する法的根拠は無いし、また、税務上は役員報酬、福利厚生費のいずれにするとしても損金になり、損益に影響を与えないことから問題はないと思われる。むしろ、給与所得課税される役員報酬部分と給与課税されない福利厚生費を明確に区分することは、給与所得課税を適正に行うためにも好ましい処理と思われます。)

②所得税法基本通達36-38の2の要件を満たさない場合

(イ)現金を徴収していない場合
借方(役員報酬)×××貸方(自家消費)×××
要件を満たしていないので、全額給与課税(源泉所得税)される。
(ロ)現金を一部徴収している場合
借方(現金)×××貸方(自家消費)×××
(役員報酬)×××
要件を満たしていないので、本人負担額を引いた全額が給与として源泉課税される。

(注1)役員については定期同額給与といって、定款の議事録に記載されているかと思われます。
この役員報酬とされた自家消費は、法人税法上は、別表上損金算入として問題ないかと思われます。
理由としては、定期同額給与となるものには、利子や家賃、渡切交際費などがあげられていますが、毎月おおむね一定のものを定期同額給与と認めるとあります。実務上、自家消費が、おおむね一定のものと認められるかは非常に微妙なところだとは思いますが、一般的に、毎月おおむね一定であると判断してよい場合が多いように思われます。そのような場合は、当該福利厚生費は、科目的には福利厚生費として損金算入して問題ないように思われます。

しかし、その額が、あまりにもデコボコする場合(極端に額が異なったり、おおむね一定でない)は、その実質は、役員に対するおおむね一定ではない経済的利益の供与ということで、法人税法上損金不算入となる可能性が高いので注意が必要です。(役員報酬の定期同額給与と認められうる定期同額給与とするためには、自家消費もおおむね一定であることが不可欠ということです)。

しかしながら、このあたりは、解釈によって見解がことなるので、こうだと言い切れる結論は無いように思われます。また、なにをもっておおむね一定というのか、そのあたりの解釈の相違によって取り扱いがことなると思われます。しかしながら、通常の自家消費がおおむね一定と認められないとすると、法人税基本通達9-2-11(継続的に供与される経済的利益の意義)が設けられた趣旨もなくなってしまうように思われます。
自家消費部分がおおむね一定と認められず、否認される場合は、定期同額給与全額が損金不算入となるわけではなく、自家消費部分だけが損金不算入となると考えるのが適切でしょう。

また、極端な例ですが、年1回役員が自家消費したというような場合は、報酬ではなく、役員賞与になりますので、有無をいわさず、損金不算入となります。
(注2)役員報酬とした自家消費分は、年末調整のときにおいて、給与課税として、源泉所得税は課税されます。

 

<注意>

※1・・・原則として、法人の場合は、役員または従業員が自家消費した場合、販売価額(時価)で金銭で支払いをして、売上計上するのが一番自然かと思われます。
※2・・・法人の場合でも自家消費した場合は、売上に計上しなくてはなりません。科目的には自家消費よりも社内消費などの科目の方が適切でしょう。
※3・・・法人の場合、自家消費はいくらで計上すればよいのか。
所得税の70%基準のような規定は、法人税法には見受けられません(50%とか70%とかはあくまで個人事業主の場合の規定です)実務上、所得税と同じように、販売価額の70%を自家消費売上に計上していれば特段問題にならないという意見もありますが、法的根拠や通達がないように思われます。さらには、法人と社長や役員、従業員は法人とは完全に別人格なので、個別規定がない以上、法人税も役員等の消費税も原則通り時価で売上計上をするのが妥当かと思われます。


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